選択肢から選ぶ「個性」

 グローバル水準に見合った作文を目指す「作文塾」(小学3-6年生対象)にご関心をお持ち下さっている皆さま、どうもありがとうございます。現在、週末クラスを検討中です。

 お子さんとの対話を楽しむためのムック「with SNOOPY—YOU CAN BE ANYTHING」(学研)、好評発売中です!

 Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力を伸ばし、「生きる力」を伸ばすスクールです。
——————————————————————————————————————————————

こんにちは。Wonderful Kidsの狩野みきです。

今日は、「個性」の話をしたいと思います。

個性は、一人一人違ってあたり前。「みんなちがって、みんないい」。人間の個性を、限られた枠の中にはめて分類することなんて…できませんよね。

でも、もしも、「あなたの個性は次の10コの選択肢の内、どれですか。選択肢以外の回答はしてはいけません」と言われたら…どうしますか。

なんだか暗い未来小説のような響きがしますが、つい先日、私はまさにこのような問いを突きつけられました。

小学生の娘を連れて、とあるイベントに申し込みに行ったときのことです。申し込み用紙には、「お子さんが得意とすること」を2つ書く欄がありました。「がんばること」など目に見えないものはNGで、「ダンス」などの目に見える得意技を書いて下さい、と注意書きにはありました。

うーん、何を書こうか、と娘と相談して、「開脚」「走るフォームがきれい」と書き入れました。そして、申し込み用紙を提出しに行くと、受付の女性がこう言うではありませんか…

「すみません、お嬢さんの得意なことは、こちらに該当するものがないので、『得意なこと』として登録できません」

は?

一瞬何を言われているのか、わかりませんでした。よくよく聞いてみると、「得意なこと」の項目にはもともと「回答例」がいくつかある、とのこと。その回答例に該当しない得意技は、「得意なこと」としては登録できない、と言うのです。

ちょっと待って下さい。得意なことは何ですか、と聞かれたから書いたのに、ウソをついているわけでもないのにそれが「認められない」ってどういうことですか?と私は親の欲目も手伝って、食い下がりました。

「うーん、でも、こちらに該当するものがないから、認められないんです」(それなら「以下の選択肢の中にお子さんの得意なものがあったら、選んで下さい」って書いてくれればいいのに…ブツブツ)

教育現場だけでなく、日本社会には色々なところに「正解主義」がはびこっているのは知っているつもりでした。ところが、こんなところにまで「正解」があろうとは。

得意なこと、つまり、個性の一部にも「正解というストライクゾーン」があって、そのゾーンを外れたものは「不可」とされるなんて。

そんなの納得できないよ…と後日、会社で採用を担当している友人に話をしました。すると、友人がこんなことを教えてくれました。

「履歴書に書いてくる『特技』も基本的にはパターン化してるよ。就職に勝つための対策なのかもしれないけど、履歴書を何百通も見てるとね、『特技』『アピールポイント』があまりに似通っていて、『あなたたち、みんな同じ人でしょう?』って言いたくなる」

個性って…何なんでしょう。

コメントはこのサイト上のコメント・ボックス、あるいは、Wonderful☆Kidsのフェイスブックページにお寄せ下さるとたいへん嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。