月別アーカイブ: 2013年2月

子ども版「白熱教室」、やってます!

 小学生の考える力と伝える力を伸ばすコミュニケーション能力プログラムの初級クラス(2期生)にもれてしまわれた方、夏には3期生を募集する予定でおります。まことに申し訳ございませんが、今しばらくお待ちいただけますか。よろしくお願いいたします。
 子育て用のムック(学研)に「子どもの思考力・自己肯定を育む声がけ」にまつわる狩野の話が掲載されます。発売は3月末予定です。お楽しみに!

 Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力を伸ばし、「生きる力」を伸ばすスクールです。
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こんにちは。Wonderful Kidsの狩野みきです。

この間の日曜から、また新たにコミュニケーション能力プログラム(小学生対象)の上級クラス(1期生)と初級クラス(2期生)がスタートしました。

その時、上級クラスの見学にみえた方がおっしゃったのが、

「まるで、子ども版白熱教室、ですね。すごい、おもしろい!」

マイケル・サンデル教授の「白熱教室」を意識したことはなかったのですが、子どもたちが「白熱」した様子で色々な意見を出し合う様子は、たしかにこの方のおっしゃる通り。うまいことをおっしゃるなあ、と膝を打ちました(ありがとうございます!)。

先日のプログラムでは、子どもたちは「読解」をしました。ある程度の長さの文章を読んだ後に私があれこれ問いかけると、子どもたちからはどんどん手が挙がり、オリジナリティあふれる意見がたくさん飛び出します。新しい意見が披露されるたびに、他の子どもの考えもさらに深まる…という、見事な「化学反応」が起きていました。

子どもたち一人一人の意見は、本当に「すごい」んですよ!

たとえば、いつも活発に意見を披露してくれる小学3年生の男の子は、この間のプログラムで、こう言っていました。

「本当はよくわかっていないのに、わかったつもりになるのは、危険だと思う。だって、ほら、ことわざであるでしょ、『能ある鷹は…』っていうの。本当は頭がいい人なのに、『この人、頭が悪いんだなー』って決めつけて近づいていくと、とんでもないことになっちゃう」

自分の頭の中にある知識と、独自の考えとが結びついて、すばらしい意見になっていますよね。自信をもって理路整然と話す姿は、頼もしい、の一言。

この男の子の意見を受けて、「じゃあ、本当に何かを『よくわかる』ためには、どうすればいいの?」と私が尋ねると…

「じっくり読む!」
「じっくり考える」
「他の人と話し合う」

と、子どもたちは口々に意見を言ってきました。

この上級クラスの子どもたちを教え始めたのは、ちょうど1年前。

1年前は、まだまだ「白熱教室」ではありませんでした。

1年かけて、じっくり考えることの楽しさ、話し合うことのおもしろさを体得してくれたのだと思います。お互いの意見の多様性をあたり前のように認めながら、話し合って、前に進むことができるようになりました。今や私は、そんな子どもたちをそばでじっと見守っている「コーチ」に過ぎません。

「グローバル教育」の必要性が叫ばれる今日。

私は、グローバル教育よりも何よりも、子どもたちには考えることを心から楽しでもらいたい、と思っています。そして、楽しむことを通して自信と自己肯定感と、本当の意味での多様性理解を身につけてくれれば、と願うのですが…もしかすると、そういう精神と態度を持つということが、「グローバル教育」なのかもしれませんね。

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友だちの意見を鑑賞しよう

☆ 子育て用のムック(学研)に「子どもの思考力・自己肯定を育む声がけ」にまつわる狩野の話が掲載されます。発売は3月末予定です。お楽しみに!
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小学生の考える力と伝える力を伸ばすコミュニケーション能力プログラム初級クラス(2期生)および上級クラス(1期生)は2月24日よりスタートです!

 Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力を伸ばし、「生きる力」を伸ばすスクールです。
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こんにちは。Wonderful Kidsの狩野みきです。

頭が柔らかくなる算数』(日経プレミアシリーズ)については、先日フェイスブックページでもご紹介しましたが、この本には、子どもとワイワイ言いながら思わず解きたくなってしまう「算数の問題」がたくさん載っています。

著者のお一人である守屋義彦氏(国立学園小学校校長・附属かたばみ幼稚園園長)は、去年の末、IWCJさんと私とで立ち上げた「子どもの考える力教育推進委員会」のメンバーにもなって下さっています。守屋先生の本書内のコラムには「優秀な子どもというのは、自分の考えを捨てられる子どもです」とあります。友だちが算数の問題で別の解き方をしてみせたときに、どうしてボク・私はそれに気づかなかったんだろう、と自分の考えを捨てて柔軟に色々な考え方ができることがすばらしい、と。

自分の考えを一時的に捨てて、他の考え方にも進んでチャレンジする。大人でも難しいことですよね。

そして、この本のもうお一人の著者、山梨大学教授・中村享史氏が書いていらっしゃることも、とても心に響きます。

「さらに大事なのは、音楽鑑賞や美術鑑賞と同じように、ほかの人の解決方法を鑑賞し、なるほどおもしろいな、いいなと思える心を育てることです」(『頭が柔らかくなる算数』より)

ここでいう「解決方法」とは算数や数学の問題の解き方のことですが、それにしても「鑑賞」とはなんとステキな言葉でしょうか。

「鑑賞」とは、「芸術作品などを見たり聞いたり読んだりして、それが表現しようとするところをつかみとり、そのよさを味わうこと」(大辞泉)です。他の人の解き方を見てきちんと理解し、「わあ、すごいな、おもしろいな」と素直に感動することのできる心…そのことを中村氏は言っているのですよね。

今週末から、小学生対象の「コミュニケーション能力プログラム」の1期生・上級クラスと2期生・初級クラスがスタートします。

このプログラムで重視するのは、子どもたち一人一人の考えや意見です。どんな意見だって、一生懸命考えればOK!というポリシーのもとに、子どもたちのすばらしい想像力や論理力が花開いていきます。

子どもたちには是非、他の友だちの意見を鑑賞できる心を育ててもらいたいです。自分の考えに執着せずに、色々な可能性を素直に認めて「すごいね、おもしろいね」と互いに言い合い、考えることを楽しめる場。そんな場を作っていきたいと思います。

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