☆ 東洋経済オンラインに、「大人と議論できる10歳は、どう育ったか?」というインタビュー記事が掲載されました!
☆ 拙著『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業』、9刷となりました。台湾版も、近日中に刊行されます。皆さまに、心より、感謝です。
☆ グローバル水準に見合った作文を目指す「作文塾」(小学3-6年生対象)にご関心をお持ち下さっている皆さま、どうもありがとうございます。来年に入りましたら、2期生を募集する予定です。
☆ Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力・伝える力を伸ばすスクールです。
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こんにちは。Wonderful Kidsの狩野みきです。
急に寒くなってきましたね。皆さん、お元気ですか。
この間の日曜は、子どもたちを連れて、日頃お世話になっているIWCさんのホリデーパーティーに出かけてきました。
エジプトの民族舞踊・タンヌーラや、フィンランドやアルゼンチンの子ども向けのワークショップなど、今年も盛りだくさんなパーティー。
私が、「考えること」「伝えること」を教えている子どもたちによるプレゼンもありました!
教え子たちは、100人のお客さんの前でプレゼン。発表前には、「どうすれば、ボクたち・私たちの思いがみんなに伝わるか」と、私も一緒になって、作戦会議。子どもたちはかなり緊張もしていましたが、堂々とプレゼンを終了しました。子どもたちのがんばりが伝わってきて、思わず泣いてしまった…
そして、タイトルにも書いた、「12歳で結婚するタンザニアの女の子」の話。
IWCさんのパーティーでは毎回、子どもたちがワークショップなどで楽しんでいる間、大人向けのセッションが開かれるのですが、今回は、国際協力NGOジョイセフの広報、小野美智代さんが、『世界女の子白書』が生まれた経緯を話して下さいました。小野さんは、いつもおしゃれでパワフルな、敬愛する友人でもあります。
この本は、恋愛や結婚など、日本では「当たり前」と思われている「女の子の常識」が、世界ではどこまで当たり前なのか…ということをじっくりと考えさせてくれる、すごい本です。
そして、小野さんの話も、すごかった。
タンザニアのある地域では、女の子が12、3歳で結婚することも珍しくないそうです。貧しい家庭に育った女の子は、特に早いうちにお嫁に行くのだとか。
なぜかというと、女の子が嫁ぐと、嫁ぎ先から女の子の実家に牛が贈られるのですが、女の子が若ければ若いほど、(価値が高いということなの!?)牛をたくさんもらえる、とのこと。
小野さんは、この他にも、この地域の女性には「産む・産まない」を決める権利がないこと、そして、「結婚の儀式」としての夜這の話もして下さったのですが、「タンザニアの女性たちに、『あなたの人生でしょう!?自分で決めなくていいの?それで本当にいいの!?』と尋ねると、『母も祖母もそうやって結婚してきましたから、別に自分がかわいそうだとは思わない』との答えが返ってくる」とおっしゃっていました。
そうなんだ……
と頭をガツンと殴られた気分。そして、疑問がフツフツと湧いてきました。
多様性を尊重するって、結局はどういうことなんだろう?って。
タンザニアの女性たちが、もしも先進国の「常識」—女性が(基本的には)自分で自分の人生を選択できるということ—を知ったら、自分たちのことを「かわいそう」と思うのでしょうか。それとも、「私たちは私たち」と肯定感を持つのでしょうか。
そもそも、こういう女性たちに「先進国の常識」を知らせる必要があるのでしょうか。知ることによって、もしも「自分はかわいそう」と思ってしまうようなら、情報が彼女たちの耳に届かないように、誰かが守ってあげるべきなのでしょうか。幸せの定義は人それぞれ。でも、「自分の人生を選択できる」ということを、誰かが(たとえば先進国が)押しつけて「ほら、これがハッピーってもんだよ」と言うべきなのでしょうか、それとも…
私が「考える力」を教えている小学生たちに、この問題をぶつけてみました(「夜這」の部分はもちろん、カット)。
すると、10歳の女の子が、「色々なやり方があるからこそ、世界は今までバランスがとれてきたのだとしたら、そのバランスを壊さないようにすることも大事なのかなあ」と言ってきました。
子どもたちの意見には、いつもハッとさせられるのですが、その女の子が言うには…
「世界のバランスをね、平均台のイメージで考えてみたの。今までは平均台をちゃんと渡ることができたのに、タンザニアの人たちに、『あなたたちのやり方は間違っている!新しいやり方でこれからはやりなさい』って言ったら、平均台の一部が変わっちゃうでしょう。そうなったらバランス崩して、渡れなくなる。そうなったら、困ると思う」
グローバル時代は、多様性を理解し、尊重する時代、のはずです。でも、「尊重」の定義って何なのでしょう。どこまでどう尊重することが、地球という村への貢献になるのでしょうか。
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