こんにちは、「子どものためのCritical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。
友人がこのサイトを見て思い出した、と言って「ちいさな哲学者たち」というフランスのドキュメンタリー映画を紹介してくれました。早速見に行こう!と勇んだのはいいのですが、東京では上映がなんと9日まで…時間がなく、行けそうもありません…泣く泣く、予告編をYouTubeで見たりレビューを読むだけで、とりあえず見たいという欲求を落ち着かせることにしました(普段から色々な方面にアンテナを立てておくことの重要性をあらためて感じました)。
「ちいさな哲学者たち」は、フランスのとある幼稚園で行われた、とある試みを映像化した作品です。その試みとは、2年間にわたって幼稚園生に哲学を教える、というものです。「愛とは?」「自由とは?」「子どもの役割って?」という問いかけを幼稚園生が考えます。なんとも意欲的な試みですよね。
予告編しか見られないのが本当に残念ですが、予告編を見るだけでも、子どもたちの会話にハッとさせられること、しきりです。子どもたちが「友だち」を定義して「友だちは一緒に遊ぶもの、恋人はキスするの」と言ったり「結婚はよくない」と言ったり。子どもたちなりに議論になり、「彼の話を聞けよ」といましめる子どもや、口論になって友だちをたたいてしまう子どもも出てきます。たたいてしまった子どもに、先生が「たたけば解決するの?まず話すの」と諭すシーンも「言葉でわかりあう型」の西洋ならでは、と考えさせられます。
「子どものためのCritical Thinking Project」でも、こんな、一見難しいけれどとても大事な問題を子どもたちと一緒に考えていければ、と思っています。「生きるってどういうこと?」「豊かさって?」「なぜけんかをするの?」What does it mean to live? What is richness? Why do we fight?
時間をかけて一緒に考えていけば、子どもたちなりの答えや発見がきっと見つかるはずです。その答えに我々大人も何か大事なことを教わるのだろうと思います。そして、子どもたちの答えや発見の先には、もっと広くてワクワクする世界が待っていると思うのです。