子どもたちと本を作っています

こんにちは。「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。

私はプライベートで小学低学年の子どもに英語も教えているのですが(子どもたちと街にアルファベットを探しに行った時のエピソードはこちら)、最近、その子どもたちと「世界に1冊しかない本」の作成を始めました。

なぜ本を作ることになったかというと、子どもたちにはなるべく英語を「実践」してほしい、という私のかねてからの願いがあったからです。当初は、本屋さんで適当に本を見つくろってきて、皆で読むことによって「実践」するつもりでいました。

どうせ読むなら子どもたちの好きなジャンルの本にしようと思い、好みを尋ねてみると、1人は「冒険もの」、もう1人は「お姫様もの」との答え。じゃあ「アラジン」にでもしようか、あの話って冒険するお姫様の話だよね、と提案したのですが、反応は今イチ。うーん、困った…と考えあぐねた末、お姫様が冒険するオリジナル・ストーリーを子どもたちと一緒に作ればいいんだ、というところに行き着きました。

毎週、1ページ(内容は、短い英文が2-4文程度)ずつ書き進めているのですが、ちなみに1ページ目は、こんな感じです:

ページ上の英文のほとんどは私が事前に準備し、子どもたちは下線部に英語を書き入れ、余白に絵を描きます。かわいいでしょ。

下線部に書いてある Flower Iris というのは主人公のお姫様の名前なのですが、この名前をはじめ、主人公の外見や性格、他の登場人物や今後の展開などの詳細は、全て子どもたちが相談して決めます。毎回、レッスン中に「次はどんな話にしようか」と相談し、その結果決まった「次ページの内容」を、次のレッスンまでに私が英語にして、プリントアウトしておきます。各ページには必ず空欄があるので、子どもたちは毎回空欄を埋めて絵を描いて、また話の続きを相談して…という繰り返しです。

お話を作ることを通して、英語を書くことに慣れ、発音の理解を深め、文法も少しずつ学んでいければ、と思っています。話の詳細をめぐってはもめることも多いのですが、どうやって折り合いをつけるのか、ということも子どもたちにとっては大事な勉強です。本人たちは何よりも「自分たちだけの本」を作っていることが嬉しいようですが。

いずれお話が完成したら、リボンなどでまとめて製本しようね、と言っています。私自身、小学生の頃はお話を作ることが大好きでした。童心に帰って、どんな話を作ろうか、と誰よりも私自身がワクワクしているのかもしれません。