子どもたちとアルファベットを探しに、街へ

こんにちは。「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。

今日のテーマは「子どもの英語学習」です。

大学や critical thinking の授業とは別に、私は週に1回、小学生の子どもたちにプライベートで英語を教えています。子どもって、本当におもしろい発想をしますよね。たとえば、「数字の8を書くのを途中でやめちゃえばSになるんだ」とか「小文字のTって十字架みたいだね」とか。長年英語を教えて頭がガチガチになっている私にはとうてい思いつかないことばかりです。そして、これが、私自身の視点を増やすためのトレーニングにもなっています。

先日、AからZまでの基本的な発音のからくり(フォニックス)を子どもたちがマスターしたのを記念して、子どもたちと「アルファベット探検」をしに街に繰り出しました。東京の街はアルファベットだらけです。「お店や看板に書いてあるアルファベットを探し出して、それを発音する」というのがアルファベット探検の趣旨だったのですが、要するに、今までは「机上」のものにすぎなかった発音のからくりを「現実世界のもの」として子どもたちと一緒に体験してみたかったのです。

街、と言っても、我が家からスタートして、近所のアイスクリーム屋さんまでのわずかな距離です(アイスクリーム屋さんでアイスを食べると探検は終了、という行程でした)。しかし、大人の足なら5分で着いてしまう道のりも、子どもたちとアルファベットを探しながら歩いてみると実に30分以上もかかりました。

I found one!(見つけた!)と言って子どもたちが嬉しそうに看板に書いてある英語を指さして、頭をフル回転させてその発音を考えている様子は、感動的なものがありました。saveという単語を見つけて、「sはスでしょ、最後にeがあるから、aはアじゃなくて、音が変わるんだよね…あれ?エって読むんだっけ、イだっけ?」などと子ども同士で相談している姿も本当に頼もしく、愛らしいです。

とにかくいっぱいアルファベットを探して、いっぱい読んで、子どもたちが自信をつけて、もっと英語を知りたいと思ってくれるようになる!というのが私の当初のシナリオだったのですが…

我が家を出てすぐ、シナリオ通りにはいかないことに気づきました。まず、慣れ親しんでいる「フォント」と違うフォントは読みづらい、ということがわかりました。今までの教科書と違う字体だったり、かなり装飾めいた筆記体だと読めなくなってしまうのですね。さらには、ou/ch/th/aiなどの「上級編」発音はまだ教えていなかったのですが、巷にはearth/house/churchなどの言葉やbeautyに見られるような不規則発音があふれている、ということも気づきました。

というわけで、先週から、上級編発音を勉強し始めました。子どもたちも A – Z の基本発音だけでは現実世界では歯が立たない、ということを実感したようで、「もっと勉強しないと色々読めるようにならないもんね」と言ってがんばっています。一緒にがんばろうね。

それにしても。世の中は、机上の考え通りにはいかないものですね。

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