こんにちは。「子どものためのCritical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。
塩野七生さんの「生き方の演習 若者たちへ」という本、ご存知ですか。
知人に紹介されて読んでみたのですが、この本は「これからの日本人に必要なものは何なのか」という問題を作家の塩野さんがとてもわかりやすい語り口で教えてくれる、名作です。ご自身の子育て論も登場するので、小さい子どもを持つ親御さん必読の書でもありますが、日本の社会や教育のあり方、国際化など、とにかく色々なことを考えさせられる本だと思います(英語で言うところの food for thought ですね)。
以下に、内容を簡単にご紹介したいと思います:
- まず、いちばん大事なのは「現実を見極める」こと。「言われたことをそのまま、丸ごと信じていたのでは、あなた方には現実がわからないことになる危険大」
- 国や年齢を超えて理解し合いたいのなら、論理的に話さなければダメ
- 日本人は「選択肢をひとつしかもたない」ことが多い。ものごとを決める時にはもっと多くの選択肢を検討しなければいけない
- 外国語を話す上で大事なのは、「語学の巧みさではなく伝える内容」
- 子どもを育てる上で大事なのは、①母国語をきちんと使えるようにすること(頭で考える時も使うのは母国語だから) ②外国語の知識をつけさせてやること(国際化社会では、知っていた方がよい) ③自分の頭で考えられるようにすること
現実を見極め、論理的に話し、多くの選択肢を検討し、自分の頭で考える—これは、まさに critical thinking です。普段から自分の頭で考えていれば、「伝える内容」も深みが出てきますよね。
日本の子どもたちが大人になった時、どんな「内容」を伝えてくれるのか。Critical Thinking Project はその内容を深めるお手伝いをしたいと思っています。