夕方5時の鐘に想うこと

<お知らせ>

・女性向けワークショップ「女性のためのクリティカル・シンキング」を開催します(2012年2月)。詳しくは、こちらをご覧下さい。

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こんにちは。「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。

いきなり個人的な話で恐縮ですが、私は「三度のメシ」と同じくらい、仕事が好きです。私には小学2年の娘と3歳の息子がいるのですが、今までずっと仕事を続けてきましたし、仕事を辞めようと思ったことは一度もありません…

と書くと、「仕事は仕事、と割り切っている母親」のように聞こえますが、実は全然そうではないのです。いつも、大好きな仕事と大好きな子どもたちの狭間で揺れ動いている気がします。「何を贅沢な」とお叱りを受けるかもしれませんが。

私の住んでいる辺りでは、夕方の5時になると「夕焼け小焼け」の鐘というかチャイムが鳴るのですが、私はたいていこのチャイムを、家で仕事をしながら聞いています。

娘がもっと小さかった頃は、このチャイムを聞くたびに「娘は今、同じチャイムを保育所で聞いているんだな、どうして一緒に聞くことができないんだろう」と切なくなりました。「夕焼け小焼け」のメロディがまた、切ない気持ちを盛り上げるんですね…

今でも、このチャイムを耳にすると胸がチクッと痛みます。そして、色々な想いが頭と心を駆け巡ります。

日中一緒にいてやれない分、夜は一緒に思いっきり楽しい時間を過ごそう、と思っていたのにうまくいかなかったと悔やむこともあれば、子どもの行事で時間が取られて「仕事ができない」と不平に感じることもあります。他の親は付き添ってくれるのに「うちだけママが来てくれない」と言って子どもが泣いた後は、やるせなくて自分を責めたり。働く母は皆同じような悩みを持っているはず、と自分に言い聞かせたり、いや、皆もっとたいへんなんだからシッカリせい、と自分に喝を入れたり…

「子どものためのCritical Thinking Project」は、私が長年温め続けてきたプロジェクトです。私の仕事史上、最高に好きなものですし、このプロジェクトを立ち上げてから毎日がワクワクの連続です。

でもこうやって続けていられるのは、子どもや夫、親、そして友人たちが励ましてサポートしてくれるからなのですよね。それを忘れてはいけないのだと、「夕焼け小焼け」を聞くと、あらためて思います。

仕事が好きなだけに葛藤があって、母親としてできる限りのことはしてあげたいと毎日不器用に考えている、ということを、子どもたちがいつか、理解してくれる日が来るでしょうか。

来年は娘も小学3年生。ママが来てくれなくちゃイヤだ、と言ってくれる時期も、あとわずかなのかもしれません。思い悩んでいる今が華なのかな、とも思う、年の瀬です。