友だちの意見を鑑賞しよう

☆ 子育て用のムック(学研)に「子どもの思考力・自己肯定を育む声がけ」にまつわる狩野の話が掲載されます。発売は3月末予定です。お楽しみに!
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小学生の考える力と伝える力を伸ばすコミュニケーション能力プログラム初級クラス(2期生)および上級クラス(1期生)は2月24日よりスタートです!

 Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力を伸ばし、「生きる力」を伸ばすスクールです。
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こんにちは。Wonderful Kidsの狩野みきです。

頭が柔らかくなる算数』(日経プレミアシリーズ)については、先日フェイスブックページでもご紹介しましたが、この本には、子どもとワイワイ言いながら思わず解きたくなってしまう「算数の問題」がたくさん載っています。

著者のお一人である守屋義彦氏(国立学園小学校校長・附属かたばみ幼稚園園長)は、去年の末、IWCJさんと私とで立ち上げた「子どもの考える力教育推進委員会」のメンバーにもなって下さっています。守屋先生の本書内のコラムには「優秀な子どもというのは、自分の考えを捨てられる子どもです」とあります。友だちが算数の問題で別の解き方をしてみせたときに、どうしてボク・私はそれに気づかなかったんだろう、と自分の考えを捨てて柔軟に色々な考え方ができることがすばらしい、と。

自分の考えを一時的に捨てて、他の考え方にも進んでチャレンジする。大人でも難しいことですよね。

そして、この本のもうお一人の著者、山梨大学教授・中村享史氏が書いていらっしゃることも、とても心に響きます。

「さらに大事なのは、音楽鑑賞や美術鑑賞と同じように、ほかの人の解決方法を鑑賞し、なるほどおもしろいな、いいなと思える心を育てることです」(『頭が柔らかくなる算数』より)

ここでいう「解決方法」とは算数や数学の問題の解き方のことですが、それにしても「鑑賞」とはなんとステキな言葉でしょうか。

「鑑賞」とは、「芸術作品などを見たり聞いたり読んだりして、それが表現しようとするところをつかみとり、そのよさを味わうこと」(大辞泉)です。他の人の解き方を見てきちんと理解し、「わあ、すごいな、おもしろいな」と素直に感動することのできる心…そのことを中村氏は言っているのですよね。

今週末から、小学生対象の「コミュニケーション能力プログラム」の1期生・上級クラスと2期生・初級クラスがスタートします。

このプログラムで重視するのは、子どもたち一人一人の考えや意見です。どんな意見だって、一生懸命考えればOK!というポリシーのもとに、子どもたちのすばらしい想像力や論理力が花開いていきます。

子どもたちには是非、他の友だちの意見を鑑賞できる心を育ててもらいたいです。自分の考えに執着せずに、色々な可能性を素直に認めて「すごいね、おもしろいね」と互いに言い合い、考えることを楽しめる場。そんな場を作っていきたいと思います。

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スポーツと、中高生と、考える力

☆ 小学生の考える力と伝える力を伸ばす「コミュニケーション能力プログラム プライマリー(初級コース)」(隔週、全10回)2期生の募集は、おかげさまをもちまして定員に満ちたため、締め切らせていただきました。夏には3期生の募集を予定しておりますので、今回惜しくももれてしまわれた方、申し訳ございませんが、今しばらくお待ち下さいますか。よろしくお願いいたします。
 Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力を伸ばし、「生きる力」を伸ばすスクールです。
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こんにちは。Wonderful Kidsの狩野みきです。

NHKの「クローズアップ現代」は、ファンの方も多いと思います。私も時々見るのですが、昨夜の「 “体罰” なぜ繰り返されるのか」は印象に残りました。

昨夜は、バスケットボール部で体罰を受けた男子生徒が自殺した事件に関連して、「指導する上で体罰が必要なのか」という問題をとりあげていたのですが、番組内では、智弁和歌山高校・野球部の高嶋仁監督が紹介されていました。

智弁和歌山は言わずと知れた、野球の強豪校。春夏の甲子園の常連でもありますよね。

高嶋氏は指導する際には、「あれやれ」「これやれ」と生徒たちに一方的に命令することはしない、と話していました(ということは、野球の世界では「あれやれ」方式が当たり前になっているのかなあ、と深読みもしてしまいましたが)。氏は、こうも言っていました:

「なんでこの練習をしなければいけないのか、きちんと部員に理解させることが大事なんです。強制はダメですよ」

生徒たちに主体的に考えさせることによって、考えて動くことの重要性を説いている、ということですよね。智弁和歌山の詳しい練習内容はわかりませんが、優れた身体能力に「考える力」が加われば、鬼に金棒なのではないかと想像します。

日本のスポーツ界は「考える力」をあまり重視しない、とはよく聞きますが、でも、そのような環境も徐々に変わってきているようです。最近のサッカー教育には「考える力教育」が入り込んでいる、という話をつい先日、ニュースでも見ました。

そのニュース番組では、サッカー選手を目指している中高生たちが、とある絵画をめぐって色々なことを考えてディスカッションをしている様子が報じられていました。キャスターの女性が、「こんなことをやって、サッカーに何が関係あるのかなぁって思っちゃいますよね」と驚いた様子でコメントしていたのですが…

一見、サッカーとは何の関係もない「考える力」。でも「考える力」は、一見何の関係もなさそうなところにこそ、威力を発揮するのではないかと思うのです。

「考える力」は学力アップのためだけにあるのではない、というのが持論です。自分にとって「大事なこと」をもっと楽しく、もっと充実したものにしてくれる不思議なパワー…それが「考える力」なのではないでしょうか。

そして、そんなパワーが、今の日本の子どもや中高生には特に必要なのではないか、と思っています。

中高生にとって「大事なこと」って何でしょうか。テストでいい点をとることも大事かもしれませんが、それ以外にも、学校生活や、スポーツなどのクラブ活動、友だちとのコミュニケーション、趣味、将来の夢、進路(ちょっとした恋愛も?)など、きっとたくさんありますよね。

そのような「大事なこと」をもっと充実させるためには、状況を判断して、まわりに流されずに自分で考えて自分で選択する必要があります。つまり「考える力」が必要なんですね。考えた後は、地道に行動に移したり、思い切ってチャレンジしたり、皆と対話して前に進んだり…その中で、失敗もたくさんすると思います。でも、自分できちんと考えた上で行動すれば、失敗からもより多くのことを学べるはずですし、自信や自己肯定にもつながっていくはずだと思うのです。

そのような「考える力」を育てるためには、生徒たちを指導する監督や先生がまずは「考える人」でなければいけないのだと思います。

智弁和歌山の高嶋監督は、部員のプレーの「表面」だけでなく裏面や側面など色々な面をきちんと見てやることが大事だ、と話していました。
(この場面を私がテレビで見ていたら、うちの娘がふいにやってきて、「色んな面を見るって、ママがいっつも言ってることだ」とつぶやいていました。たしかにくどいぐらいにいつも言っている気がします…苦笑)

物事を多面的に見ることのできる監督ってすばらしいですよね。

こういう指導者が増えれば、体罰もいじめも減るのでしょうか。

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