子どもたちと物語を味わう、ということ

 Wonderful☆Kidsは、子どもたちの考える力を伸ばし、「生きる力」を伸ばすスクールです!
年長・年中さん向けの考えるプログラム「ママ(パパ)と一緒に考えよう!」のお申し込みは、こちらです。
——————————————————————————————————————————————

こんにちは。Wonderful☆Kids の狩野みきです。

そろそろお彼岸ですね。暑かった夏も、あと少しで終わり…となってくれるでしょうか。

さて、Wonderful☆Kids では、夏前から小学生たちと「古事記」を読んでいます。「古事記」を物語として読んでいるのですが、日本の神さまたちの抱腹絶倒のお話に、子どもたちも参観なさっているお母様方も大笑いすることも多く…

「古事記」のお話を読んだ後は、いつも皆でじっくり考えます。

日本の国語の読解問題には時々「この時主人公はどのような気持ちだったでしょうか、10文字以内で答えなさい」といった設問があって、なんとそういう設問にまで「正解」があることが多いのですが、Wonderful☆Kids ではそのような「正解付き」の問題を解くことはまずありません。

登場人物の気持ちでも、日本の古代にまつわる事でも、とにかく一人一人が一生懸命考える。そして、皆で考えたことをシェアして「そうかぁ、そういう考えもあるね」と認めたり、他の人の考えをもとに話し合ったりしています。

最近子どもたちによく問いかけるのが「○○っていう神さまって、どういう性格だと思う?」という質問。

この間は、アマテラス(天照大神)について子どもたちに尋ねてみました。

アマテラスは、弟が自分の国を攻めにきたと思って武装したり、岩戸に隠れたり、領土を拡大しようと奮闘したり、エピソードには事欠かない神さまなので、「どんな性格か」という問題を考えるにはうってつけなのです。

「強い人」「好奇心が強い」などの答えが子どもたちからは出ます。その中で特に印象に残ったのが、「アマテラスは、恐怖心のある人だと思う」という意見。

え? と一瞬びっくりしました。私にしてみれば、アマテラスという神さまは「恐怖心」とは縁遠い人、というイメージだったからです。

その子に、どうして?と尋ねてみると…

「だって、弟が攻めてくると勝手に思ってすぐ武装したり、岩に隠れてイヤなものを見ないでおこうとしたりしてるでしょ。領土を広げようとしたのは、この先この国はどうなるのか、って心配だったからだと思う。先のことを考える人。先のことを考えるのは、怖いっていう気持ちがあるんじゃないかな」。

すばらしい「解釈」ですよね、聞いていて感動しました。一生懸命考えてくれた、ということも嬉しかったですし。

子どもたちには、色々な物語をたくさん読んでもらいたいと思っています。

Wonderful☆Kids では「自分以外の視点を持つこと」を重視していますが、自分以外の視点、つまり、自分とは違う立場に立って考える時に必要になってくるのが、想像力です。物語は、そのような想像力をも育ててくれますよね。

そして、色々な物語を読んで「ボクはこう思うな」「私はこんな風に感じる」ということを「正解」という制約なしに、じっくりと考えてもらいたいのです。それが、物語つまり文学を味わうということだと思いますから。

子どもたちとの、文学の時間。今週も楽しみです!

コメントはこのサイト上のコメント・ボックス、あるいは、Wonderful☆Kidsのフェイスブックページに寄せていただけるとたいへん嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。