「理由を考る子ども」を育てるには

<お知らせ>
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こんにちは。「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。

「理由」を考えることが critical thinking の第一歩です、といつもこのブログでも書いていますが、子どもに「どうして?」と理由を尋ねても、まるで答えを言ってくれない、というケースもあります。

子どもが理由を口に出さない「理由」は様々で、「純粋に理由が思いつかない」「内容が理解できていない」ということもありますし、レッスン中であれば「緊張しているから」ということもあり得ます。こういう場合はたいてい、もう一度わかりやすく説明した上で「どんな理由だって正解だから、はずかしがらないで言ってみて、一生懸命考えることが大事だよ」と言ってあげると、本当に一生懸命考えて何らかの理由を言ってくれることが多いと感じています。

一方で、「面倒くさい」から理由を言いたくない、考えたくない、という子どももいます。「面倒くさいなぁ」と思いがちな性格や年齢、というのもあると思います。私自身、面倒くさがりなので、こういう子どもの気持ちは理解できるんです。

面倒くさがる子どもにどう「理由を考える」ことを促せばいいですか、と時々保護者の方から質問を受けるので、以下、私の個人的な考えを書かせていただきますね。

面倒くさがる子どもに「理由を言いなさい」と言い続けると逆効果となる可能性が高いので、無理強いはNGですよね。では、どうするか。まずは「理由を紙に書かせる」という代替案が考えられます。「しゃべる」ことがそもそも面倒くさい、あまり好きではない、というお子さんの場合には書かせることは効果的かと思います。でも、やおら紙を出して「はい、ここに理由を書いて」と言うのは何やら事情聴取あるいはテストのような趣があるので、日頃お子さんと交換日記のようなものをつけて、そこで理由を根気づよく引き出してみる、というのはどうでしょうか。

もうひとつは、大人自身が「理由を常に考える人になる」ということです。例えば、今日のお味噌汁はいつもよりもおいしくできたな、と思ったら「今日のお味噌汁、いつもより上手くできちゃった、なんでかなぁ」と独り言のように言ってみる。あるいは、「今朝はずいぶんと空が暗いね、どうしてかなぁ」とつぶやいてみる。

自分でこの後適当な「理由」をつぶやいてもいいですし、何も言わなくてもいいと思います。大事なのは、子どもに「理由を考えるって普通のこと、日常的なことなんだよ」と大人が態度で示してあげることだと思っています。

横断歩道は信号が青になってから渡るのよ、と子どもにいくら教えても、その当の大人が信号無視をしていては、子どもは「信号が赤でも渡っていいんだ」と思ってしまいますよね。これと、理由を考えるクセもある意味同じだと思います。つまり、いくら子どもに理由を考えなさい、と促しても、大人の方が理由を考えない(あるいは考えていても、それが周りの人にはわからない)ようであれば、子どもは「理由は考えなくてもいいんだ」と思ってもおかしくないと思うのです。

ちなみに、私は朝から晩まで「どうしてかなぁ」を連発して、わが子たちに少々うるさがられることもあります。うるさがられるほど言うのは考えものですが、自分の「考える力」を伸ばすためにも、大事なのは「どうして」と思う心を持ち続けることではないでしょうか。

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