投稿者「miki」のアーカイブ

田中ウルヴェ京さんと、母親力

<ワークショップ情報>

 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  

あけましておめでとうございます。

「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。今年も本プロジェクト同様、どうぞよろしくお願いいたします。

年があらたまったところに年末の話で恐縮ですが…昨年の暮れ、メンタル・トレーナーの田中ウルヴェ京さんに会ってきました。京さんはソウル五輪のシンクロ・デュエット銅メダリスト。現役を退いた後は渡米し、ストレスをうまく対処するための「コーピング」の理論を勉強、現在はコーピングのコーチとしても多方面で活躍なさっています。

実はコーピング、critical thinking と密接につながっているらしいのです。ストレスをうまく処すためには「自分の頭できちんと考える」ことが大事なのだそうですが、「自分の頭できちんと考える」能力を磨くためには critical thinking が必要、というわけなんですね。

critical thinking とコーピングの理解をお互いに深めることが、京さんとの会合の「表向き」の目的でしたが、裏向き(?)の目的は、彼女との30年ぶりの再会。実は、彼女は私の小中学時代の友人でもあるのです。

30年ぶりの再会に話は尽きませんでしたが、中でも格別に印象に残ったのが、彼女のお母さまの話でした。通学前に水泳の練習に通う娘のために、お母さまは毎朝3時に起きてお弁当を作り、練習に連れて行って下さったそうです。それを何年もひたすら続けるって…私には想像を絶する世界です。

「でもね、母は一度もたいへんだとか、あなたのためにしてあげてるんだとか、におわせたことすらないのよ。いつも明るくて。自分が母親になってみると、それがいかにすごいことか、わかるのよね」と二児の母である京さんは話していました。

自分が親になってみて気づくことのひとつに「自分の親のすごさ」があると思います。私などは、親がしてくれたことがどれだけ「すごい」ことだったのか、恥ずかしながら今やっとわかり始めたところです。と同時に、私は親として、子どもにどれだけのことをしてやれるのか…ということも考えます。

親としての自分。自分はどういう考えを持っているのか、子どもや家族に何をしてやれるのか。情報があふれ、急激に変わっていく現代だからこそ、まわりに流されずに、親としても、きちんと考えて生きていきたいと思います(これがなかなか難しいのですよね)。

今月末には都内で「お母さんのためのクリティカル・シンキング」というワークショップを行ないますが、「母親として、一個人として、クリティカル・シンキングをどう応用できるか」という話をお母さんたちと一緒に考えていきたいと思っています。ご興味のある方は、是非お出かけください。

ちなみに、京さん。アメリカに留学するきっかけを作ったのは、この私だったそうです。「スイスの大会に遠征した時に、当時ドイツに住んでいたみきちゃんに会ったでしょう、その時にみきちゃんが話す英語を聞いて、かっこいい〜って思ったの。競技引退後には英語を必ず勉強しようってその時思ったんだ」。なんだか、照れちゃいます…

英語だけでなく、より多くの人に考える「きっかけ」を与えることができるよう、今年もがんばっていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

大学生も一生懸命考えています

<お知らせ>

・2012年2月4日、女性向けワークショップ「女性のためのクリティカル・シンキング」を開催します。詳しくは、こちらをご覧下さい。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

こんにちは。「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。

クリスマスはいかがお過ごしでしたか。

今年も残すところ、あとわずかですね。私が受けもっている大学の授業は大体1月に終了するので、大学に関して言えば「今年度の授業もあとわずか」です。

毎年この時期になると、4月から教えてきた学生との別れが近づくことを思い、なんとも寂しい気持ちになります。4月からの彼らの成長ぶりを思えば、嬉しくも頼もしくもあるのですが。

critical thinking などの授業の「シメ」は、学生によるプレゼンテーションです。毎回テーマを与えるのですが、今回のテーマは、「社会でより『使える』人材を育成するためには、大学はどうすればいいのか」。

学生たちは5-6人のグループに分かれて、「より『使える』人材を育成するため」のプログラムを約1ヶ月かけて企画し、英語によるプレゼンのための準備をします。

学生が準備をしている間、私は基本的には学生が話し合うのを聞いて、ツッコミを入れたり、ヒントをあげたり、いわゆる「ファシリテーター」に徹します。黙って話を聞いていると、ほとんどのグループが「大学は、もっと実務能力に直結するような授業を提供するべきだ、大教室の講義なんてやめよう」という方向に話が進んで行きました。すると、1人の学生が「先生、ちょっといいですか」と言ってきました。

「実務はもちろん大事だけど、ボクは、大学が職業訓練所みたいになることには疑問があるんです。大学は、哲学とか、社会では一見役に立たないかもしれない学問に触れる場でもあるべきじゃないかと…そういう学問に触れることによって人間、深みが出ると言うか…社会で『使える』人材に求められる能力って、何も、表面的なことだけじゃないと思うんです。」

色々考えているんだなぁ、と嬉しくなりました。こういう学生に出会うと、その考えをよりリアルな、より説得力をもった主張にするために、とにかく話を聞くことにしています。その後少し質問をして相手のもやもやした考えをクリアにしてあげたり、ちょっとだけヒントをあげて、考えをより深められるように導いてあげるのが、私の役割だと思っています。

気がつけば、学生相手にそんな役割を演じ続けて20年…この経験をもとに、今度は子どもたちの「考えるガイド」になりたいと思って今年立ち上げたのが「子どものためのCritical Thinking Project」です。

このプロジェクトを今年1年応援して下さった皆さま、本当にどうもありがとうございました。まだまだヒヨッコですが、さらに勉強を続けて、来年はプロジェクトをさらに前進させていきたいと思っています。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、皆さま、よいお年を…