親子で楽しみたい!? critical thinking

こんにちは、「子どものための Critical Thinking Project」を主宰しています、狩野みきです。

今日のテーマは、critical thinking の基本である「ひとつの現象に対して色々な原因を考える」ということ。A という現象があったとして、「その原因としてB が考えられる」と誰かが言った場合、「本当にA の原因はB なのか?」「B以外の原因は考えられないのか?」ということを(場合によっては)考える必要がある、という話です(相手の意見を疑ってかかることを推奨しているわけではありません…念のため)。

AだのBだの、現象だの原因だの、難しそうに書いてしまいましたが、実は「色々な原因を考える」という作業は、私たちが無意識のうちにしていることなんです。

たとえば、「いつもバナナを買っているけれど、今回買ったバナナだけが早く黒くなってしまった」という「現象」があったとします(つい最近私の家でありました)。バナナが早く黒くなるのがイヤであれば(=私)、なぜ黒くなったのかという原因をつきとめて、その原因がなくなるようにすればいいわけです。しかし、頭に最初にうかんだ「安売りのバナナを買ったから」という原因に飛びついて「安売りのバナナを買うのはよそう」と結論づけてしまうのは critical thinking に反します。

もちろん、原因がわかりきっている場合は別ですが、私たちの生活では、原因を簡単に突き止められないことの方が多いかもしれません。バナナの例に戻りますと、まず、目の前にある現象(黒いバナナ)を引き起こしうる、色々な原因を考える必要があります。たとえば、「今回だけいつもと違うスーパーで買ったから」「最近部屋の中がひときわ暑いから」「秋になって日差しの向きが変わって、気がついたらバナナが直射日光を浴びていた」などなど。その原因をすべて検討していちばんもっともらしい原因をつきとめたら、その原因である行為(たとえば、「直射日光」)を避けるようにすればいいのです。

色々な理由を考えることは、想像力のトレーニングにもなります。お子さんと一緒に、テレビを見ながらでもできますよ。初めて見るドラマやアニメはかっこうの題材です。主人公が「なぜあんなに明るい性格なのか」「なぜあんなに派手な服装なのか」など、その背景をあれこれ推理するのです。与えられた情報(映像)をもとに推理するので、ちょっとした探偵ごっこですね。

子どもを叱る前に critical thinking してみるのもちょっとしたトレーニングです。子どもが何かしでかした時、「原因はこれだ」と疑ってかかってしまって…というのは私だけ?かもしれませんが…

たとえば、「子どもが(また)部屋の片づけをしない」という現象があったとします。その原因は色々考えられますよね。「またさぼっている」「どうしても片付けたくない理由がある(たとえば作業中のジグゾーパズルをそのままにしておきたい)」「体の具合が悪い」「片付けるのが不得意」「親への何らかのメッセージがこめられている(どんな?)」「偶然」などなど。こう考えている間に、頭ごなしに「また部屋をきたないままにして!」と怒る気力が萎えていく…と思うのですが、私自身、我が子を叱るという場面ではまだまだ critical thinking を実行に移せないままでいます(反省)。

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