ドラえもんと、福山雅治さんの「生きてる生きてく」

お知らせ
先日、TEDxTeachers(アメリカのTEDが手がけた、初の教育関連イベント)にて、狩野が Wonderful☆Kids についてプレゼンを行ないました。その時のプレゼン動画は近日TED公式HPにアップされる予定です!

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こんにちは。Wonderful☆Kidsを主宰しています、狩野みきです。

日ざしはだんだん春めいてきましたが、まだまだ寒いですね。

昨日は、子どもたちにずっとせがまれていたドラえもんの映画「のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜」を見に行ってきました。

絶滅したはずの動物が棲む「奇跡の島」で、のび太たちが出会う大冒険、というお話。

ドラえもんの映画は実に30作以上もあるのですが、そこには「信じる力」「あきらめない力」という一貫したテーマがあると思います。

自分を信じ、友だちを信じて、どんな状況にあっても「絶対に大丈夫」とあきらめずに励まし合い、協力し合って前に進んでいくのび太たち。

そのがんばる姿が感動的で、私はいつも子ども以上に泣いてしまうのですが…

信じる力とあきらめない力。そして、その根本にある自信。そんなことを考えながら映画を見ていました。

ボク・私ならどんな困難だって乗り越えられる、と自分を信じるのは文字通りの「自信」ですし、また、自分に自信があるからこそ、相手も乗り越えられるに違いない、相手もそういうボク・私を信じてがんばってくれるはずだ、あきらめないぞ、と思えるのですよね。

そして、「あきらめない」ためには知識と知恵も必要、ですよね。

今回のドラえもんの映画でも、捕われの身となった友だちを助けるにはどうすればいいか、のび太が一生懸命考えるシーンがありました。ドラえもんの道具を頼りにできないことがわかると、のび太たちは自分たちの知恵と知識(そして勇気)をフル稼働させて助けに出かけて行くのです。

ドラえもんの映画に出て来る「大冒険」は、「私たちの人生における、様々な困難」の比喩、たとえ話、という解釈もできると思います。

困難に出会っても、信じる力とあきらめない力があれば、生きていける。そして、そこにある友だちや家族の大切さ。

子どもたちに伝えたい、大切なメッセージだと思います。

そして、今回の映画にはすばらしいメッセージがもうひとつありました。

それは、福山雅治さんが歌う主題歌「生きてる生きてく」。

今まで生きて出した答えは
正解よりも間違えの方が多いよ
僕は間違えながら
大人になってきたんだ

という歌詞。そして…

伝えることやわかり合うって
好きになるほど難しい

…さらに、

大きな夢をひとつ持っていた
恥ずかしいぐらいバカげた夢を
そしたらなぜか小さな夢が
いつの間にか叶ってた…

生きている、生きていくことのエッセンスをこんなに凝縮して歌詞に込められるなんて…才能のある人はすごいなぁ、としばし呆然としてしまいました。

東日本大震災から1年目という特別な日だった昨日。被害にあわれた方たちのことを祈りながら、私たちに今できることを考えながら、子どもたちと、生きていること、生きていくことの意義をあらためてかみしめた気がします。

 

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生きる力の大事な基礎、それが考える力

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ごあいさつ
考えることを通して子どもたちにより大きく羽ばたいてもらいたい、という願いを込めて、「子どものためのCritical Thinking Project」は WonderfulKids として生まれ変わりました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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こんにちは。Wonderful☆Kids の狩野みきです。

Wonderful☆Kids では、子どもたちに「考えること」を教えていますが、考える力はなぜ大事なのでしょうか。

サイトもリニューアルした今日は、このことについてあらためて考えてみたいと思います。

私には二人の子どもがいます。我が子には、どのような状況にあっても前向きに生きていける人間に育ってほしいと思っています。たとえ私がいなくなっても一人で生きていける力、生き抜いていける力—つまり「生きる力」は、親が子どもに与えてあげられる、いちばんの「財産」なのではないでしょうか。

そして、この生きる力の土台となるのが「考える力」だと思うのです。

何があっても子どもが一人で生きていけるためには、5つのパワーが必要だと考えています。その5つのパワーとは…

  1. 自信
  2. 自己肯定力(自分は大事で特別な存在なんだと思う力)
  3. 自分の気持ちを伝える力
  4. 他人を思いやる力
  5. 知識を活用する力

私は、子どもたちに教える時にはいつも「どうして?」という問いかけを大事にします。

「ピアノがうまくなりたい」→「どうして?」→「ピアノが好きだから」→「どうしてピアノが好きなの?」→「お母さんがピアノが好きだから」→「お母さんが好きなことは、どうして大事なの?」

…このように、「どうして?」と問い続けていくと、(大人もそうですが)子どもはある時点で「そうか、私はこういうものを大事だと思っているんだ」「ボクはこういうことが得意なんだ」と気づき、自信や肯定感を身につけます。じっくりと考えることのできた自分を誇りにも感じますし、また、考えがはっきりとしたものとなるので、相手に自分の思いをより伝えられるようになるのです。

一方で、思いやる力。これは、他人の立場を本当に理解してはじめて、備わるものだと思います。

私は子どもたちによく、「あなたがもしもスウェーデン人だったら」「あなたがもしもお母さんだったら」と、他の人の立場に身を置くアクティビティをしてもらいますが、これは、子どもたちに「もしかしたら、他の人は自分とは違う考え方をしているのかもしれない」と気づいてもらうためです。

さらに、状況や目的に合わせて、頭の中にある知識を活かす力。これも、生きていくための大事な力です。

「ピラミッドはどうやって作ったんだと思う?」と子どもたちに尋ねたところ、ある2年生の男の子は「跳び箱の時に使う踏み板のもっと大きなのにレンガを抱えた人を乗せて、その人をピラミッドの上まで飛ばして、レンガを積み上げていく」と答えました。

何ともすてきな発想!古代エジプトには電気がなかった、という知識と、体育の授業で使った踏み板の仕組みとが見事に結びつけられていますよね。

考えることを通して、未来を前向きに生きていく力を身につけてほしい。すばらしい可能性を秘めた子どもたちに、すばらしい力をもっと伸ばしてほしい。

Wonderful☆Kids という名前には、そんな私の思いが込められています。