狩野みきよりご挨拶

こんにちは。THINK-AIDを主宰しています、狩野みきです。

私は30年近く大学で英語を教え、今まで、英語に関する本も何冊か出させていただきました。こちらのページでは、ご挨拶にかえて、英語を教える私がなぜ「考える力」を教えるに至ったのか、そして、英語を教えてきた私だからこそ気づいた「考える力の重要性」についてお話をさせて下さい。

20年ほど前、アメリカ人の友人と話していた時のことです。友人が「お夕飯、何が食べたい?」と私に聞くので、私は「餃子」と答えました。すると、彼女がすかさず聞いてきた質問が「なんで?」。

餃子を食べたいという気持ちに理由なんか必要ないじゃない!とびっくりしました。でも、相手の質問を無視するわけにはいかないので、一生懸命理由を考えて「この間雑誌の餃子特集を見たからかなぁ」と答えました。

実は、この「餃子経験」は、それまで私がおぼろげながら感じていた「あること」に気づかせてくれたのです。

その「あること」とは、英語のネイティブ・スピーカーは自分の意見・主張を言う場合に必ずと言っていいほど、理由を言う、ということです。

意見や主張には根拠がなければならない、というルールは英語文化では当たりまえのこととされていますが、日本語の日常文化にはあまりないものだと思います。

私は、学生たちの英語をより「英語らしく」するために、積極的に「なぜ?」と問いかけることにしました。最初は戸惑っていた日本の学生たちも、だんだん慣れてきて、きちんと理由を考えて言ってくれるようになりました。

ところが、しばらくすると「なぜ?」という問いがもたらしてくれるメリットは「英語を英語らしくする」だけではない、ということに気づきました。「なぜ?」がもたらしてくれる最大のメリットは「その人の考えをより深め、よりわかりやすいものにし、その人に自信を与えてくれる」というところにあったのです。

なぜ?から始まる「自分で考える力」を英語文化の産物だけにしておくのはもったいない、「自分で考える力」を日本の子どもたちが身につければ、子どもたちはもっと、自信も自己肯定も育める。グローバル社会で自信をもって、生きていけるはず。そう信じています。

考える力は「教える」ものではありません。背中を押されて、自分で築き上げていくものです。

私は、子どもたちや保護者の方、先生方に「考える力を教える」のではなく、皆さんの考える力のAID(助け)になりたい。

THINK-AIDという名前には、私のそんな願いが込められています。

☆ 狩野みきプロフィール

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「自分で考える力」イニシアティブ、THINK-AID(旧Wonderful Kids)主宰。慶應義塾大学、東京藝術大学、ビジネス・ブレースルー大学講師。子どもの考える力教育推進委員会、代表。聖心女子学院初・中等科に学び、中学高校時代をドイツのブリティッシュ・スクールにて過ごす。慶應義塾大学法学部卒、慶應義塾大学大学院博士課程修了 (英文学) 。30年近く大学等で「考える力」と英語を教える。著書に『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業』『世界のエリートが学んできた 自分の考えを「伝える力」の授業』(日本実業出版社)『「自分で考える力」が育つ 親子の対話術』(朝日新聞出版)『超一流の自信思考』(大和書房)『知られざる英会話のスキル20』(DHC)『女性の英会話 完全自習ブック』(アルク)『オーレックス和英辞典』(旺文社) 『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) など多数。ニンテンドーDS「スヌーピーといっしょにDS英語レッスン」監修。2012年、TEDxTokyo Teachersにて、日本の子どもたちにもっと考える力を、という趣旨のTEDトーク “It’s Thinking Time”(英文)を披露し、好評を博した。 2児の母。

狩野みきよりご挨拶」への5件のフィードバック

  1. miki 投稿作成者

    宮子さま

    狩野です。嬉しいメッセージをどうもありがとうございます。あの本は著者の方がとにかくすばらしくて…監訳をした身としてもとても励みになります。今後ともよろしくお願い申し上げます。 狩野

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